2011年1月28日金曜日

オフィーススペースの高い空室率- Vacancy Rate is High













ロサンゼルスのオフィススペースでは非常に空室率が高くなっている様です。その空室率は2010年最終四半期で19.6%となっています。これは2009年の同時期の18.5%と比較しても悪化している事になります。オフィス賃料に関しても、賃貸需要と供給のバランスで引き続き下がって来ています。

ロサンゼルスでは、この2-3年でホワイトカラーの雇用が約110,000失われたそうです。雇用喪失は、賃貸テナントの退出や縮小に大きく影響します。又、何とか退出をしなかったテナントでも既存賃貸スペース内に余分で活用していないスペースや未使用のスペースが存在していると思われます。(Shadow Space) これらのスペースは19.6%に含まれていないので、賃貸契約更新時には賃貸面積の縮小として、空室率を更に高くする要因になって来ると思います。

この様な状況を見ると(1)空室率が合理的な数字に落ち着き(2)賃貸需要と供給が合理的にバランスして(3)賃料が上昇し始めるまではまだ当分時間が掛かりそうです。

弊社のオフィス賃貸契約は今年切れます。テナントとしては、いろいろなチョイスがあります。1)既存スペースでのリース更新:現市場を反映して有利な賃貸契約が出来ると思います。2)他オフィスビルへの移動:更新の場合と同様に有利に交渉出来ると思います。3)賃貸ビルのクラスアップ:1ランク上のビルでの賃貸を現況レベルの賃料に抑えて契約できる等といろいろなオプションがあります。
ここ2-3年はオフィステナントには選択の多い時期で、ビルオーナーには少し厳しい時期となりそうです。





JIPANGU

2010年11月19日金曜日

California 不動産市場の回復予想と移民  - California Real Estate Recovery







カリフォルニア(CA)の住宅用不動産価格は2014年まで安定せず、安定後の次の住宅価格ピークは2018年頃との予想が発表されました。7年も先です。一回飛ばしにあった様です?

CA住宅不動産市場は(1)過去の住宅供給過多(2005年度に年間155千戸とピークを記録した新規住宅供給戸数は2010年度には約25千戸までに下がって来ている。)(2)無理のある住宅ローンの提供(CA州では約70万戸がフォークロージャーの過程にある。これは、2007年に表面化したサブプライムローン問題が示す様に無理な住宅ローン提供が大きく影響してる)市場の回復には今後1-2年この供給過剰の住宅と支払い困難な住宅ローンの清算を同時に少しでも早く処理して行くことが必要です。

当然CA政府や連邦政府は雇用促進や各種の経済救済策を継続してくる事になります。しかし、CA州では、過去のバブル期や香港の中国返還時など、外国からの多大な資金が入り、発展して来ました。又、他州からの転入者も大きく貢献して来ています。最近では、連邦政府のEV5と言う外国からの米国投資と引き換えに、米国永住権を与えるプログラムが盛に提供される様になって来ました。今年は約600名のお金持ちの中国人がこのプログラムを利用して、米国永住権を申請しているそうです。CA州も独自に裕福な移民を奨励する様なプログラムを行い、不動産市場の活性化をすると意外と面白いそうです。日本人も永住権まで必要無くても、この機会に強い円で投資を行い同時に米国滞在ビザを取得するチャンスかもしれません。



JIPANGU

2010年10月13日水曜日

Foreclosure 手続きの減速  - Bank of America halts foreclosures seizures








Bank of America 銀行は、、CA州を含む全米50州で住宅のForeclosure手続き(差押さえ住宅の競売手続き)を当面の期間凍結すると発表しました。これは、先日より問題となっている債務者(住宅所有者)と銀行のForeclosure手続きや手順に関わる問題の調査を行う為です。恐らくJP Morgan Ally等の大手銀行も同様の対処方法を取ると思われます。

2009年からはオバマ政権及びCA州の政治的なプレッシャーにより各銀行が実行するForeclosure手続き件数は減速されていましたが、2010年に入りそのプレッシャーが緩和され、低価格の住宅を中心に少しForeclosure手続きがスピードアップされ住宅販売件数が動き出す気配がありました。しかし、現状の様な経済環境で住宅価格低迷、全米規模で失業率9.6%とネガティブな環境で、更にForeclosure 手続きを遅らせると、市場への物件供給が減少して、最近Foreclosure 物件を購入していた人々が再度様子を見て、購入を控える様になり、Foreclosure物件売買である程度活性化されていた住宅売買市場が再度減速する可能性があります。

大手銀行によるForeclosure 手順の見直しは重要な作業で法律に定める形で実行されれべきですが、住宅ローンの支払いが遅れている人々や債務者に取って住宅ローン債務が軽減される訳ではなく、彼らの問題の根本的な解決にはなりません。又、最近少し動きだす気配のあった100万ドルアップのforeclosure物件売買に関しても減速の影響が出ることが懸念されます。




JIPANGU

2010年9月25日土曜日

8月の南カリフォルニア 州住宅販売  - Foreclosures in Next Phase?


全米で8月度は約339千件のForeclosure Filing (受戻権喪失の申請)がありました。これは全米で381件に1件が住宅ローン未払い等の理由で、抵当債務者が抵当に入っている不動産を受け戻す権利を喪失し、その不動産が抵当債権者のものとなった事になります。

Foreclosureが最も多いのがラスベガス市があるネバダ州で、そこでは84件に1件が抵当である不動産を失っている計算になります。(以後、フロリダ州、アリゾナ州、カリフォルニア(CA)州と続きます。)ここCA州では8月に約7万件のForeclosure Filingはありました。

先日LA Timesで俳優のニコラス ケージが所有していた$35Miillion (29億円)の住宅がForeclosureとなり、Citibank銀行が$11.8Million (約9.8億円)で売りに出した記事がありました。南CAでは今年に入り$1 Million以上の高級住宅に関わるForeclosureや差押さえが急激に増加しているそうです。

この1-2年増加傾向にあったForeclosure数が少し落ち着いたペースになって来ていますが、同時に1件辺りの住宅価格・債権価格が急激に高くなる傾向が顕著に見られます。手頃な価格帯の住宅や不良債権処理が一段落して来た感じがある事、現在の環境下でも銀行があまり積極的に新規住宅ローンを推進しない事、$1 Million 以上の住宅のForeclosureが増加して来ている事よりまだ表面に出て来ないShadow Inventoryが多く存在し、そのコントロールがされていると思われます。ちなみに8月の住宅中間価格は$288,000との事でした。

2010年9月15日水曜日

カリフォルニア経済動向  - 始まらない住宅開発


先日発表された経済動向予測(UCLA Anderson School of Business)によると2011年後半までカリフォルニア(CA)州経済はあまり期待出来ない様です。2010年度のCA州平均失業率は12.2%と高く、2012年の第四四半期までは二桁台と予想されています。(全米平均は9.7%)

過去1991年の航空宇宙産業や2001年のTI産業を発端とする不況時には、雇用が回復するまで4年から6年間掛かったそうです。今回のサブプライム・リーマンショックによる不況は2007年から2008年に掛けて始まっているため、過去を参考にすると雇用回復時は2011年から2013年頃になるのでしょうか?

全くネガティブな状況ばかりではなく、最近の雇用状況変化を見るとアジア各国との取引増加により海港と貿易関係の雇用や外国人観光客の増加によりロサンゼルスとサンフランシスコ国際空港関連で雇用が順調との事実もある様です。更に、CA州人口は継続的に増加を続けています。

しかしながら、CA州で認可された建築許可の件数が過去最低を記録している事からも建設業界の低迷がCA州経済に多大なマイナス影響を与えています。不動産・住宅ディベロッパーとして新規の住宅開発を開始するの非常に良いコンディションと思われますが、中々始まって来ません?この辺の住宅開発や販売はForeclosures Sales(受戻権喪失による担保不動産販売、REO販売とShadow Inventoryと呼ばれる金融機関が公表していない不良債権と大きく関係がある様に思います。

2010年7月31日土曜日

ゴルフ場経営から見える景気の波 (Cutting Golf Expense)

*ブログ移行に伴い過去の記事を投稿しています


National Golf Foundationによると、2009年9月現在で全米に約1万6千あるゴルフ場の内114のコースが閉鎖されたそうです。新規開場は44コースでし た。また、アメリカ国内での年間ゴルフラウンド数(プレー数)が、2000年の5.18億ラウンドから2008年には4.89億ラウンドに減ったとのこと です。南カリフォルニアでも私が知る限り、ここ1-2年で2コースが閉鎖さています。専門家の意見では、この1-2年間でゴルフ場の価値は30-50%下 がったといわれます。さらに、タイガーウッズの活躍によって増えた米国ゴルフ人口も、2005年の約3千万人をピークに減少傾向です。

1980年以降、開発されたコースの約30%は住宅開発業者により開発されたといわれています。開発業 者としては、コースが隣接している事によりコースの眺めやゴルフができる利便性が付加価値となり、住宅価格を少しでも高める効果があります。住宅販売が順 調な市場では200-300戸規模の住宅を開発する場合には、費用をかけてコースを作っても、その住宅にもたらせる付加価値により十分採算が取れました。 同時に、住宅販売のツールであるゴルフコースの収益向上には、それ程エネルギーを注がなかったケースが大部分であったと思われます。その様な場合には、 コース運営で特に大きな利益を出す必要性も少なく、運営上で各種営業努力も強くは要求されませんでした(逆に特別なノウハウがあったコースには、チャンス があったはずです)。

ゴ ルフビジネスの第一段階としては、ゴルファーがゴルフ場に来ない事にはビジネスが始まりません。最近のパブリックのコースでは、通常のグリーンフィー(プ レー料)の大幅値下げ、曜日や時間帯による価格のディスカウント、クーポン券の発行等により来場者の集客を積極的に進めています。この大きなディスカウン トにより収益を改善しているコースもある様です。一方、プライベートコースで既存メンバーの協力が得られず破産するコースや、以前の半値以下で投資家に売 却されるコースも出て来ています。投資家に売却されたコースの中には極端な会員権価格の引き下げや、月会費の大幅な値下げ等により収益を大幅に改善してい るコースもある模様です。価格を下げる方法が単純ですが、短期では効果が見られます。

過去のパターンでは、住宅価格が上昇すると個人の資産が増え、この増えた資産を売却したり担保にして、ゴルフ会員権を購入するパターンが多くありました。それゆえ住宅価格が上昇せず、しかも下がった場合、敏感に影響を受けるのがゴルフを始めとする贅沢なレジャーです。

過去のビジネスサイクルから想像するに、これから当分の間ゴルフ関係の商品(ゴルフクラブ、ゴルフウエ ア等)、ゴルフのプレーフィーや会員権価格、ゴルフ場での飲食代等がかなりディスカウントされてお得になるでしょう。普通のレストランやバーに行くより、 ゴルフ場へ行く方がお得かもしれません。それだけでなく、ゴルフ場自体も安く買える可能性もあります。アメリカのゴルフ場のオーナーになる、そんな夢も手 の届きやすいところまで降りてきているのかもしれません。

(by K.Kobayashi)

気になる不動産リートの動向 (A REIT's action)

*ブログ移行に伴い過去の記事を投稿しています

先週、南カリフォルニア地域では最大級の商業用不動産オーナーで、しかもREITであるMaquire Property Inc.(マグアイヤー)が所有するオフィスビルに対して、大手銀行のBank Of America (B of A)がフォークロジャー(法的差押え)の為の処置を開始したとのニュースが流れました。マグアイヤーと言えばLA ダウンタウンやIrvineの一等地に、クラスAのオフィスビルを多数所有する南カリフォルニア大手REITです。

今回のビルはIrvineにある16階建てのClass Aオフィスビルで、2007年に約$95,000,000のローンをB of Aより得て購入したビルとのことです。2007年というと、今回の不況の原因となったサブプライムローン問題が発覚した年です。当時はサブプライム問題を 大きな問題と認識できなかった(または、認識していたものの問題として無視した)多くの銀行が、引き続きアグレッシブな不動産担保ローンを提供していまし た。

最近では同様のビル売買事例が2件あります。それによると市場売買単価は$200 /SF以下になると予想されます。しかしB of Aの債権残高ベースでは$350 /SFとなり、市場価格より75%も高い数字となります。もしB of A がこのまま法的処置を続けてビルを差押え、債権では無くオフィスビルを不動産として所有し、その後売却した場合、現市場では単価ベースで$200 /sf 以下での売却が予想されます。一方では、今後の法的処置を継続する経費と銀行として不動産を所有するリスクを考慮して、この$95,000,000の債権 を大幅ディスカウントで第三者(投資家)に売却するケースも想定されます。この場合、購入者は取得価格が非常に低くなるので、空室も多く家賃も下落傾向の オフィス賃貸市場ではありますが、現況市場賃料より遥かに安く賃貸しても、利益を上げられる可能性があります。

し かし今回のビルの一件は、地元大手REITと米国大手銀行の間での動きです。共に大手上場企業で、市場を理解している者同士がプロとして合理的な着地点を 検討しているのであり、上場企業であるがゆえに、双方株主からの訴訟を避ける為の茶番劇である様な気もしないではありません(個人的な見解です。しかも過 激ですよね。考え過ぎですね?)。

しかし、このニュースから見えてくるのは、(1)サブプライムローンを当時大きな問題と認識していな かった銀行が2007年に貸し出したローンの償還期限が、2010年から2012年に始まります。(2)特に商業物件に対するローンが多くありま す。(3)現況はオフィスもショッピングセンターも非常に稼働率が下がっています。
以上の点から考えると、体力のある銀行か全く体力の無くなったローカル銀行が期待していた米国政府からの現実離れした救済策を待つ事を諦め、不良債権処理を開始せざる負えない状況を認識し始めたのではないかと期待します。

投資家としては、次の景気の波まで持ち応える資金力があれば、来年から1-3年は商業用不動産に投資する良い時期になりそうです。

(by K.Kobayashi)